2020年4月、新型コロナウイルスの影響で突然始まった在宅勤務生活の中で、私(当時26歳、金融機関で事務職をしている会社員)は、これまで経験したことのない時間管理の難しさに直面していました。オフィスにいた頃は、同僚との会話や会議、通勤時間などが自然なリズムを作り出し、一日の流れを意識することなく過ごせていました。
しかし、自宅という慣れ親しんだ環境で仕事をするようになると、公私の境界が曖昧になり、集中力の維持や優先順位の管理が思うようにいかなくなってしまいました。「このままではいけない」と感じた私は、時間管理術や整理整頓の方法について書かれた本を何冊も読み、様々な手帳術を試してみました。しかし、市販の手帳はどれも私のライフスタイルに完全にフィットするものがなく、デジタルツールも長続きしませんでした。
そんな時、生活用品を買いにたまたま立ち寄ったダイソーで発見したのが「アルファベットシール」のコーナーでした。小さなシールに一文字ずつアルファベットが印刷された、実にシンプルな商品でした。一袋110円で、A〜Zまでの文字が複数枚ずつ入っており、色も黒、白、ゴールド、シルバーなど豊富に揃っていました。当初は「ファイルの背表紙にでも貼って整理に使おうかな」程度の軽い気持ちで購入したのですが、この小さなアルファベットシールが、その後4年間にわたって私の手帳術、時間管理術、そして自己管理全般に革命をもたらすことになりました。
手帳にアルファベットシールを貼って独自の記号システムを作り上げることで、複雑な予定管理や目標達成の進捗を視覚的に把握できるようになり、さらには英語学習、資格取得、副業の管理まで、あらゆる分野で応用できることを発見しました。100円という手軽さから始まった小さな工夫が、最終的には私の人生観や働き方まで大きく変える原動力となったのです。

コロナ禍での在宅勤務と時間管理の混乱
2020年3月下旬、勤務先の地方銀行から「4月1日より当面の間、在宅勤務を基本とする」という通達があった時、私は正直なところ喜びの気持ちの方が大きかったのを覚えています。片道1時間の通勤から解放される、満員電車のストレスがなくなる、好きな服装で仕事ができる、昼休みには自分で作った料理が食べられる——在宅勤務には魅力的な側面がたくさんありました。
私の業務は主に融資関連の書類審査と顧客データの入力作業で、パソコンがあれば場所を選ばずにできる内容でした。会社からノートPCとモバイルルーターが貸与され、技術的な準備も整いました。1LDKのアパートのダイニングテーブルを作業スペースにして、「これで快適な働き方ができる」と意気込んでいました。
ところが、実際に在宅勤務が始まってみると、予想していなかった問題が次々と発生しました。最も深刻だったのは「時間感覚の狂い」でした。オフィスにいた頃は、始業時間、昼休み、終業時間がはっきりしており、同僚の動きを見ながら自然とペースを掴むことができていました。しかし、自宅では外的な時間の区切りがなく、気がつくと昼休みを忘れて作業を続けていたり、逆に集中力が続かずに頻繁に休憩を取りすぎたりしていました。
4月の第2週頃から、別の問題も表面化してきました。「優先順位の管理」です。オフィスでは、上司からの直接の指示や同僚との相談を通じて、自然と業務の優先順位が決まっていました。しかし、在宅勤務では基本的にメールやチャットでのやり取りが中心となり、緊急度や重要度の判断が難しくなりました。結果として、簡単な作業から片付けてしまい、重要だが時間のかかる業務を後回しにしてしまう傾向が強くなりました。
さらに困ったのは、「公私の境界の曖昧さ」でした。自宅という完全にプライベートな空間で仕事をすることで、集中力を維持するのが困難になりました。冷蔵庫の中身が気になったり、届いた宅配便の対応をしたり、洗濯物を取り込んだり——日常生活の様々な要素が仕事中にも頭をよぎり、作業効率が大幅に低下しました。
5月に入る頃には、これらの問題が積み重なって、明らかに仕事のパフォーマンスが下がっていることを自覚するようになりました。書類の確認ミスが増えたり、期限ぎりぎりになってから慌てて作業をすることが多くなったり、上司からの評価も以前より厳しくなったように感じました。
「このままではいけない」と危機感を抱いた私は、時間管理や整理術に関する本を読み漁るようになりました。『7つの習慣』『Getting Things Done』『手帳術の本』など、有名な自己啓発書や実用書を10冊以上購入して読みました。また、YouTubeで手帳術や時間管理術の動画を見て、様々な方法を試してみました。

バレットジャーナル、GTD、ポモドーロ・テクニック、タイムブロッキング——流行りの手法は一通り試してみましたが、どれも私のライフスタイルや性格に完全にフィットするものではありませんでした。バレットジャーナルは自由度が高すぎて迷ってしまい、GTDはシステムが複雑すぎて継続できませんでした。
特に困ったのは、市販の手帳の制約でした。一般的な手帳は「月間カレンダー」「週間スケジュール」「メモページ」という構成になっていますが、在宅勤務の私には「時間単位のスケジュール管理」よりも「タスクの進捗管理」「優先順位の可視化」「気分や体調の記録」などが重要でした。既存の手帳のフォーマットでは、これらの要素を統合的に管理することが困難でした。
デジタルツールも試してみました。Todoist、Notion、Google Calendar、Trelloなど、評価の高いアプリケーションをいくつも使ってみましたが、結果的に長続きしませんでした。デジタルツールは確かに便利で機能的でしたが、私にとって重要な「手で書く行為」「視覚的な一覧性」「カスタマイズの自由度」という要素が不足していました。
6月下旬、友人から勧められて「自分専用の手帳を自作する」というアイデアを知りました。ルーズリーフやノートを使って、完全にオリジナルの手帳システムを構築するという方法でした。「これなら自分の必要に応じて完全にカスタマイズできる」と感じ、早速挑戦してみることにしました。
A5サイズのルーズリーフとバインダーを購入し、手書きで自分専用の手帳ページを作成し始めました。週間スケジュール、タスクリスト、目標設定、振り返り用のページなど、自分が必要だと思う要素を盛り込みました。しかし、すぐに新たな問題に直面しました。「情報の分類と識別」です。
手書きの手帳では、重要度や進捗状況、カテゴリーなどを区別するために、色ペンを使い分けたり、記号を使ったりする必要がありました。しかし、ペンの色だけでは表現に限界があり、手書きの記号は時間がかかる上に、見た目も美しくありませんでした。
「もっと簡単で効果的な方法はないだろうか」と悩んでいた時、日用品の買い物でダイソーを訪れる機会がありました。この時の偶然の発見が、その後4年間続く私の手帳術の基盤となったのです。

ダイソーでの偶然の発見とアルファベットシールとの出会い
2020年7月上旬の蒸し暑い土曜日、洗剤やティッシュペーパーなどの日用品を補充するために、自宅近くのダイソーを訪れました。在宅勤務が始まってから、外出する機会が激減していたため、久しぶりの買い物は良い気分転換になりました。
必要な商品をカゴに入れた後、以前は素通りしていた文房具コーナーをゆっくりと見て回ることにしました。手帳作りを始めてから、文房具への関心が高まっていたのです。色とりどりのペン、可愛いマスキングテープ、機能的なクリアファイル——100円でこれだけの種類が揃っていることに改めて驚きました。
文房具コーナーの奥の方に進んでいくと、「シール・ラベル」というコーナーがありました。子供向けのキャラクターシールや、住所ラベル、インデックスシールなどが並んでいましたが、その中で目に留まったのが「アルファベットシール」でした。
最初に手に取ったのは、黒地に白文字のシンプルなデザインのものでした。縦1.5cm、横1cmほどの小さな長方形のシールに、一文字ずつアルファベットが印刷されていました。パッケージを見ると、A〜Zまでの26文字が、それぞれ4枚ずつ入っているとのことでした。価格は110円で、「ファイリング用品」というカテゴリーに分類されていました。
「これは面白そう」と思い、パッケージを詳しく見てみました。使用例として、ファイルの背表紙に貼って分類する方法や、収納ボックスにラベルを作る方法などが紹介されていました。しかし、私の頭の中では全く別の用途が浮かんでいました。「これを手帳に貼れば、タスクの分類やステータスを表現できるのではないか」
黒地白文字の他にも、白地黒文字、ゴールド、シルバー、赤、青など、6種類の色バリエーションがあることが分かりました。それぞれ微妙にサイズやフォントが異なっており、用途に応じて使い分けができそうでした。
特に興味を引いたのは、ゴールドとシルバーのメタリックなシールでした。これらは他の色よりも少し小さめで、高級感のある仕上がりになっていました。「重要なタスクや達成した目標を示すのに使えそう」と思いました。
その場で6色全てを購入することに決めました。合計660円の投資でしたが、「もし手帳術に使えなくても、本来の用途であるファイリングに使えばいい」と考え、それほど大きなリスクではないと判断しました。
帰宅後、早速パッケージを開けてシールを確認してみました。印刷品質は予想以上に高く、文字も鮮明で読みやすいものでした。シール自体の粘着力も適度で、剥がしやすさも考慮されているようでした。
「どのような使い方ができるだろう」と考えながら、まずは簡単な実験をしてみることにしました。手帳の余白部分に、いくつかの文字を貼ってテストしてみました。
最初に試したのは、タスクのカテゴリー分類でした。「W」をWork(仕事)、「P」をPersonal(プライベート)、「H」をHealth(健康)、「S」をStudy(勉強)の頭文字として使用してみました。各タスクの横に対応するアルファベットシールを貼ることで、一目で分類が分かるようになりました。
次に試したのは、進捗状況の表示でした。「N」をNot started(未着手)、「P」をIn Progress(進行中)、「D」をDone(完了)として使用しました。タスクの状況が変化したら、シールを貼り替えるという運用方法を考えました。
さらに、優先度の表示にも応用してみました。「A」をHigh priority(高優先度)、「B」をMedium priority(中優先度)、「C」をLow priority(低優先度)として使い分けました。
これらの実験を通じて、アルファベットシールが持つ可能性を実感しました。色の組み合わせ、文字の組み合わせ、貼る位置など、様々な要素を工夫することで、非常に豊富な情報を表現できることが分かりました。
7月の第2週から、本格的にアルファベットシールを使った手帳術を開始しました。最初は試行錯誤の連続でしたが、日々使い続ける中で、自分なりのルールやシステムが確立されていきました。
例えば、月曜日には「M」、火曜日には「T」のように曜日を表すシールを使ったり、月初には「1」、月末には「31」のように日付を表現したり(数字のシールは別途購入)、アイデアが次々と浮かんできました。
特に効果的だったのは、達成感の可視化でした。完了したタスクにゴールドの「D」(Done)シールを貼ることで、一日の終わりに達成感を実感できるようになりました。手帳のページにゴールドのシールが増えていく様子を見ることが、大きなモチベーション向上につながりました。
2週間ほど使い続けた結果、明らかに時間管理と優先順位の管理が改善されていることを実感しました。視覚的に情報を整理できるようになったことで、一日の始まりに「今日は何をすべきか」を瞬時に把握できるようになり、業務効率が大幅に向上しました。
この成功体験により、「アルファベットシールにはもっと大きな可能性があるのではないか」と考えるようになりました。単純なタスク管理だけでなく、目標設定、習慣化、学習記録など、さまざまな分野に応用できるのではないかという期待が膨らみました。

システムの構築と独自ルールの確立
2020年7月下旬から8月にかけて、アルファベットシールを使った手帳術を本格的にシステム化することに取り組みました。最初の2週間は直感的に使っていましたが、より効果的で持続可能な方法を確立するためには、明確なルールと体系的なアプローチが必要だと感じていました。
まず取り組んだのは、「文字の意味定義」の整理でした。26文字のアルファベットそれぞれに明確な意味を持たせ、それを一覧表にまとめました。この作業は想像以上に時間がかかりましたが、システムの根幹となる重要な作業でした。
基本カテゴリー(青色シール使用)
- W: Work(仕事関連)
- P: Personal(個人的な用事)
- H: Health(健康・運動)
- S: Study(学習・資格取得)
- M: Money(家計・投資)
- R: Relationship(人間関係・交流)
進捗ステータス(白地黒文字シール使用)
- N: Not started(未着手)
- I: In progress(進行中)
- W: Waiting(他者待ち)
- D: Done(完了)
優先度レベル(赤色シール使用)
- A: High priority(緊急かつ重要)
- B: Medium priority(重要だが緊急でない)
- C: Low priority(緊急でも重要でもない)
特別マーカー(ゴールド・シルバーシール使用)
- E: Excellent(期待以上の成果)
- G: Goal achieved(目標達成)
- F: Failed(失敗・要改善)
- L: Learned(学びがあった)
このような分類を作成した後、実際の運用テストを開始しました。毎朝の手帳タイムを10分間と決めて、その日のタスクと目標を整理し、適切なシールを貼る習慣を作りました。また、夜寝る前には5分間の振り返りタイムを設けて、進捗の更新と一日の評価を行いました。
8月の第2週頃、新たな課題が浮上しました。シールの「在庫管理」です。よく使う文字(特にD、P、Wなど)は頻繁に消費されるため、アルファベットシールの補充が必要になりました。しかし、あまり使わない文字(XやZなど)は大量に余ってしまいます。
この問題を解決するため、再度ダイソーを訪れて在庫状況を確認しました。幸い、アルファベットシールは常時安定して陳列されており、必要な色とデザインを随時購入できることが分かりました。また、よく使う文字については、複数パック購入しておくことで解決できました。
さらに、使用頻度の低い文字についても、新しい用途を開発することにしました。例えば:
- X: Cancelled(中止・キャンセル)
- Y: Yes(重要な決定)
- Z: Zero progress(進展なし・停滞)
- Q: Question(疑問・要確認)
- V: Very important(特に重要)
このような工夫により、全てのアルファベットを有効活用できるシステムに改良しました。
8月下旬には、色の使い分けについてもより洗練されたルールを確立しました:
黒地白文字: 基本的な進捗管理 白地黒文字: 補助的な情報 赤色: 注意喚起・緊急事項 青色: カテゴリー分類 ゴールド: ポジティブな結果・達成 シルバー: 中性的な特別事項
この色分けにより、手帳を開いた瞬間に重要な情報を直感的に把握できるようになりました。特に、ゴールドのシールが増えることで達成感を視覚的に実感できる効果は、予想以上に強力でした。
読書記録:
- 読んだ本のタイトルの頭文字をシールで記録
- 評価をA-Eの5段階で表示
- ジャンルを色分けで表現
習慣トラッキング:
- 運動した
- 日に「E」(Exercise)のゴールドシール
- 早寝早起きできた日に「S」(Sleep)のシルバーシール
- 読書をした日に「R」(Reading)の青シール
- 料理を作った日に「C」(Cooking)の白シール
英語学習記録:
- 新しく覚えた単語の頭文字をシールで記録
- TOEIC学習をした日に「T」のゴールドシール
- 英語のポッドキャストを聞いた日に「P」の青シール
- オンライン英会話をした日に「O」のシルバーシール
9月下旬、これらの応用を試している中で、思わぬ副次効果に気づきました。アルファベットシールを使うことで、「英語への親しみやすさ」が向上していたのです。毎日アルファベットに触れることで、英単語の頭文字を意識するようになり、語彙力の向上にも繋がっていました。
この発見をきっかけに、10月からは本格的に英語学習にもアルファベットシールを活用することにしました。まず、よく使う英単語の頭文字を覚える練習から始めました。例えば:
- A: Achievement(達成)
- B: Balance(バランス)
- C: Challenge(挑戦)
- D: Development(発展)
- E: Excellence(優秀さ)
これらの単語を意識的に手帳に使うことで、自然と英語学習にも繋がるシステムを構築しました。
10月中旬、会社の同僚である佐藤さん(仮名)から「最近、仕事の効率がすごく良くなったけど、何か秘訣があるの?」と質問されました。在宅勤務が始まった当初は業務パフォーマンスが低下していた私でしたが、アルファベットシール手帳術を始めてから、明らかに成果が向上していました。
佐藤さんにシステムの概要を説明したところ、非常に興味を持ってくれました。「私も時間管理に悩んでいるから、参考にさせてほしい」ということで、詳細な説明資料を作成してシェアすることになりました。
この資料作成の過程で、自分のシステムを客観的に見直すことができました。3ヶ月間の試行錯誤を通じて、かなり洗練されたシステムが出来上がっていることを再認識しました。
システムの核となる5つの原則
- 視覚的認識の優先: 色と文字の組み合わせで瞬時に情報を把握
- 柔軟性の確保: 状況に応じてルールを調整可能
- 継続可能性: 複雑すぎず、毎日続けられる簡潔さ
- 達成感の可視化: ポジティブフィードバックによるモチベーション維持
- コスト効率性: 月数百円で運用可能な経済性
佐藤さんだけでなく、他の同僚数名にもシステムを紹介したところ、皆さん非常に興味を示してくれました。特に、「100円ショップの材料だけで、これだけ効果的なシステムが作れる」という点に驚いていました。
11月に入ると、システムのさらなる進化を図ることにしました。これまでは主に個人的なタスクや目標の管理に使用していましたが、仕事上のプロジェクト管理にも応用してみることにしました。
プロジェクト管理での活用例:
- プロジェクトごとに頭文字でコード化(例:「K」は顧客管理システム更新プロジェクト)
- 進捗段階を色分け(企画:青、実行:黄、完了:ゴールド)
- 担当者を文字で表示(自分:「M」、上司:「B」、同僚:「S」)
- 重要度をシールのサイズで表現
この応用により、複数のプロジェクトを同時に管理する際の混乱が大幅に減少しました。手帳を見れば、各プロジェクトの現状と次のアクションが一目で分かるようになりました。
11月下旬、アルファベットシール手帳術を始めてから約4ヶ月が経過し、その効果を数値的に測定してみることにしました。在宅勤務開始当初と比較して:
- 業務完了率: 約30%向上
- 残業時間: 平均40%削減
- ストレスレベル: 主観的に50%軽減
- 目標達成率: 約60%向上
これらの改善は、上司からの評価にも反映されました。月末の査定で「業務効率と品質の両方が大幅に向上している」というコメントをいただき、自分のシステムに確信を持つことができました。
12月、年末を迎えるにあたり、1年間の総括と翌年の計画立案にもアルファベットシールを活用することにしました。12月の手帳には、その年に達成した目標をゴールドの「G」で、挫折した目標をシルバーの「F」で、継続中の目標を青の「C」で表示しました。
視覚的に一年を振り返ることで、自分の成長と課題を客観的に把握することができました。ゴールドのシールが思っていたより多いことに驚き、同時に自信も得られました。
英語学習への展開と語彙力向上の実感
2021年1月、新年の目標として「TOEIC800点突破」を設定しました。前年の12月に受験した際のスコアは650点で、150点の向上が必要でした。この挑戦にも、アルファベットシール手帳術を活用することにしました。
英語学習へのシール活用は、既に前年の10月から部分的に始めていましたが、年明けからは本格的なシステムとして構築することにしました。まず、英語学習専用のノートを用意し、以下のようなルールを策定しました。
単語学習記録:
- 新しく覚えた英単語の頭文字をシールで記録
- レベル別に色分け(基礎:青、中級:黒、上級:ゴールド)
- 復習が必要な単語には「R」(Review)の赤シールを貼付
- 完全に習得した単語には「M」(Mastered)のゴールドシールを貼付
学習活動の記録:
- 「L」(Listening): リスニング練習をした日
- 「R」(Reading): 長文読解練習をした日
- 「G」(Grammar): 文法学習をした日
- 「V」(Vocabulary): 単語学習をした日
- 「S」(Speaking): 英会話練習をした日
- 「W」(Writing): ライティング練習をした日
1月から3月までの3ヶ月間、毎日この記録を続けました。特に効果的だったのは、アルファベットシールを使うことで「英語のアルファベット自体に親しみを感じるようになった」ことでした。日本語話者にとって、アルファベットは「外国の文字」という距離感がありますが、毎日手帳に貼ることで、非常に身近な存在になりました。
2月中旬、面白い発見がありました。アルファベットシールを使って単語の頭文字を記録していると、自然と「単語の分類」ができるようになったのです。例えば、「A」で始まる単語を集中的に学習する日を作ったり、「ビジネス英語でよく使われるB」から始まる単語をまとめて覚えたりするようになりました。
この方法は、記憶術の観点からも非常に効果的でした。「頭文字による分類」は、脳の情報整理システムと相性が良く、単語の定着率が明らかに向上しました。
3月末時点での成果:
- 新規習得単語数: 約800語
- 1日平均学習時間: 45分(継続率95%)
- TOEIC模試スコア: 720点(70点向上)
この成果に励まされ、4月からはさらに応用範囲を広げることにしました。英語学習だけでなく、「英語で考える習慣」を身につけるために、日常の活動も英語の頭文字で記録することにしました。
日常活動の英語記録:
- 朝食: 「B」(Breakfast)
- 通勤: 「C」(Commute)
- 運動: 「E」(Exercise)
- 夕食: 「D」(Dinner)
- 読書: 「R」(Reading)
- 睡眠: 「S」(Sleep)
この方法により、日常生活の中で自然と英語を意識する時間が増加しました。シールを貼る際に「今日のBreakfastは何だったかな」「Exerciseは何分やったかな」と英語で考える習慣がつきました。
5月、思わぬところで英語力向上の実感を得ることができました。オンライン英会話レッスンで、講師から「語彙力が以前よりも確実に向上している」「特にアルファベット順で単語を思い出すのが早くなった」というフィードバックをもらいました。
これは、アルファベットシール手帳術の副次効果でした。頭文字を意識した学習により、英語の辞書的な思考(アルファベット順での単語検索)が自然と身についていたのです。
6月、TOEIC公開テストを再受験しました。結果は780点で、前回から130点の向上を達成しました。目標の800点には届かなかったものの、確実な進歩を実感できました。
