私が100均の紙やすりに出会ったのは、42歳の秋でした。それまでの私は、工具や日曜大工とは全く無縁の生活を送っていました。職業は書店員で、本に囲まれた静かな日々。ドライバー一本まともに使えない、典型的な「不器用な文系人間」でした。そんな私が、なぜ紙やすりに魅了され、DIYの世界に足を踏み入れることになったのか。今思い返すと、それは一枚の紙やすりから始まった、小さな革命だったように思います。 すべては古い椅子から始まった きっかけは、祖母の遺品整理でした。昨年亡くなった祖母の家を片付けることになり、兄弟で実家に集まりました。古い木造の家には、祖母が使っていた家具や道具がたくさん残っていました。ほとんどは処分することになりましたが、その中に一脚の古い木製の椅子がありました。 「これ、おばあちゃんがいつも使ってた椅子だよね」と妹が言いました。確かに、子どもの頃、祖母がこの椅子に座って編み物をしていた姿をよく見ていました。シンプルな作りですが、どっしりとした安定感のある椅子でした。 「捨てるのは忍びないな」と思い、私が引き取ることにしました。しかし、長年の使用で表面は汚れ、木部は色褪せ、座面の塗装は剥げてボロボロでした。そのまま使える状態ではありませんでしたが、何とか蘇らせたいという気持ちが湧いてきました。 家に持ち帰り、妻に見せると「汚いから捨てたら?」と冷たい反応。でも、「思い出の品だから、綺麗にして使いたい」と説得しました。妻は「じゃあ、ベランダで作業してね。部屋を汚さないで」と条件付きで了承してくれました。 ネットでの情報収集 まずはインターネットで「古い椅子 修復」と検索してみました。すると、たくさんの記事や動画が出てきました。DIY愛好家たちが、古い家具を見事に再生させている様子に驚きました。「素人の私にもできるかな」と不安でしたが、やってみる価値はありそうでした。 椅子の修復には、まず表面の汚れや古い塗装を落とす必要があることが分かりました。そのために必要なのが「紙やすり」でした。動画を見ると、皆さん紙やすりで丁寧に木材を削っていました。「紙やすりか…使ったことないな」と思いながらも、必要な道具をリストアップしました。 紙やすり、塗装剥離剤、ニス、刷毛、軍手…。リストは長くなり、ホームセンターで揃えると結構な金額になりそうでした。「初めての挑戦で失敗するかもしれないのに、高い道具を買うのは躊躇するな」と思っていた時、あるブログ記事が目に留まりました。 「100均の紙やすりでも十分使える」というタイトルでした。記事を読むと、筆者は100円ショップの紙やすりを使って家具の修復をしていました。「プロ用に比べれば耐久性は劣るが、小さな家具なら問題ない」「初心者こそ、まず100均で試してから本格的な道具を揃えるべき」という意見に、深く頷きました。 100均での買い物 翌日の休みに、近所のダイソーに向かいました。工具コーナーを探すと、紙やすりのコーナーがありました。想像以上に種類が豊富で驚きました。 番手(粗さ)が違う様々な紙やすりが並んでいました。#80、#120、#240、#400、#600、#1000…。数字が小さいほど粗く、大きいほど細かいことは、ネットで予習していました。どれを買えばいいか迷いましたが、中粗目、中目、細目の3種類セットになった商品を見つけました。これなら一度に揃って便利です。 他にも、サンドペーパーを取り付けるホルダーや、スポンジ状の研磨材、金属用の耐水ペーパーなど、110円とは思えないほど充実したラインナップでした。とりあえず、3種類セットの紙やすりを2パック、ホルダーを1つ、軍手を1組購入しました。合計440円。 … 【ダイソー・セリア】100均の紙やすりとの出会いと、DIYへの目覚めの記録Read more
