贈り物手帖

スティーブ・ジョブズが生き続けていく訳 その1

有名なスピーチにジョブズが愛され、生き続けている訳がある。

iPhoneの誕生から10年目を迎えます。今回のコラムはジョブスのモノづくりへのこだわりを、2005年6月12日のスタンフォード大学での学生へ贈ったスピーチを元に、2話連続で紹介いたします。~~スティーブ・ジョブズの命日にむけて〜〜

スピーチ文はこちら↓

素敵なエピソード・・いや波乱に溢れた人生

ジョブズが20歳の時に、ウォズと二人でスタートさせたアップル。それは自宅のガレージから始まりましたが、10年後には4千人以上が働く20億ドル企業になります。アップルの最高傑作であるマッキントッシュを発表した30歳のとき、ジョブズは会社を解雇されます。経営の才能がある人物を右腕として雇った1年後のことでした。経営者との間に亀裂が産まれ、結果的に取締役会はその右腕の彼に付きジョブズは追い出されたのです。
「いったいどうしたら自分が作った会社に解雇されるんだろう?」(会場笑)
そう、ジョブズ自身が作った会社に公然と追放されたのです。
人生の全てだったものが一瞬の内に消えたのですから、ジョブズにとって破滅そのものでした。

手におえない行動力と失わない仕事への情熱

ジョブズは数ヶ月の間、どうしていいのかさえ分からず、公の恥さらし者だと感じ、シリコンバレーから逃げ出そうとすら考えました。それでも仕事を愛してやまなかったジョブズはもう一度やり直すことを決心します。 「振り返ってみると、アップルに解雇されたことは、人生で起きた最高の出来事でした。」
とさえ語るジョブズは人生で最もクリエイティブな時期に入っていきました。

いだく夢へと歩む道は大事な仕事にも大切な人生にも

その後ジョブズは5年も経たない内にNeXTという名の会社と、ピクサーという名の会社を起業し、結婚もしました。ピクサーは世界初のコンピュータ・アニメーション映画「トイ・ストーリー」を制作し、最も成功している世界一のアニメーション・スタジオに成長させました。そして、アップルがNeXTを買収するという思いもよらない出来事で、ジョブズはアップルに帰ってくるのです。NeXTの開発技術は、アップルの再成長の中で中核的な役割を果たします。そして妻のローレンと共に素敵な家庭を築きました。

ぶれないデザインへのこだわり

ジョブズは「アップルに解任されていなかったら。なにひとつそれらの出来事は存在しなかった。人生には酷いことが起きます。でも信念を捨ててはいけない。僕が続けてきた理由はひとつだけ、自分の仕事を愛していたということ。ひとつの場所にとどまり続けてはいけません。心というものは大したもので、見つけた時にわかるのです。そして素晴らしい恋愛と同じように、年を重ねるごとに成長し続けていきます。だからこそ、探し続けてください。ひとつの場所にとどまってはいけません。」とスピーチを続けていきます。
「偉大な仕事をする唯一の方法は、自分がしていることを愛することだ」
ぶれないジョブズの一言一言に会場の全ての人間が引き込まれていました。

第2話は、かの有名な「Stay Hungry. Stay Foolish.」に、続きます

スティーブ・ジョブズの名前の詩