贈り物手帖
熊本県の名前の詩
2016年(平成28年)4月14日に熊本県と大分県に起きた最大震度7の大地震。熊本の象徴的な存在でもある熊本城は甚大な被害を受けました。初代藩主の加藤清正公が1607年に築城した熊本城。熊本城は姫路城、大阪城、名古屋城などにならぶ名城です。
熊本市は2038年復旧完了の基本計画を策定し、様々な最新技術を持つ企業の協力や、東日本大震災の経験を持った仙台市教委なども加わり外観の修復や石垣の積み直し作業を進めています。
これらの作業の効率化のために、熊本大学大学院の上滝剛助教は画像処理技術による修復システムを開発しました。スパイ映画や空港での入国時に見られる人間の顔を認識する画像認証技術も活用されています。石の形を人の目で認識することは非常に困難なうえ、崩れて色が変わっているものもありますので、崩れた石垣を撮影たうえでし、過去に撮影された石垣の画像データとシステムを使って比較をします。その上で石の元の位置を特定する、特定の物を探し出すパターンマッチングの「石垣検索システム」です。
そしてそれらの石垣の中から、約400年ぶりに観音菩薩が彫られた石が発見されました。石におよそ40センチの観音菩薩が彫られています。観音菩薩は石垣の表には出ていない、内側の接している部分に彫られていました。観音菩薩の出自など詳細は不明とのことですが、石垣自体が約400年前に組まれていますので、それよりも以前に彫られたものになります。城を築くために必要な石垣の石を確保するために、地域の様々な石を集めていたこともあり、民間信仰の石が混ざっていた可能性もあるようです。
崩れた部分から発見されたことは、観音菩薩様からの復興へのメッセージではないでしょうか。